4 April / 2013

ただ、ただ。

自分が一番話したいこと、ってなんだろう。

やっぱり実際に、
もともと用意されていたわけでもない場所を探して、
異国の地で何かを伝える。

でもそれってなにからだろう。 

フランスに来たばかりのときなんて、
もう本当に日本で勉強してきましたなんて言うのが恥ずかしいくらい
ほとんどフランス語話せなくて。

単語も知っていたものと
実際に使うものとは違ったり
表現方法なんて、
ここに来てから使い方を知ったものばかり。笑
知っていたものも、自信がなさすぎて使えなかったし。笑

もう本当に恥ずかしい。笑
今もそうね、フランス語話すときに、
「フランス語話せる?」って訊かれても
「ちょっとだけね」って言っちゃう。
私はフランス語話せるのよ!って
言えたらいいんだけど。笑
まだそんな自信ないし、
実際そんなレベルでもないからね。

まあそんな始まりですが、
何かをしたくてフランスまで来たわけで。

ようやく、お話する機会を設けてもらえるように
交渉できる自信が(微々たるものだけど)ついてきて、
またなかなか話が進まないお国柄でも、
どうにか実現するところまできました。


フランスの人を対象に、
アンケートをお願いしています。

福島について、どんなことを聞いて、
どんなふうに感じて、
どうするのがいいと思うか。
そんなことを細々と訊ねてみているわけです。

日本に帰るまでに、どのくらい集まるかな。
見るたびに少しひやひやしながらも
とても興味深い。

そしてカケラでもお話を聞いてもらえる人がいれば
聞いた後に、何か考えが変わるのかな。
何か感じてもらえるのかな。
何か新しい、何かが生まれるかな。
悲しいこともあるはずだけど、
ちょっぴり楽しみでもある。

私はただの大学生なので
影響力というものはたかが知れているし
何が欲しいわけでもない。

ただ伝えたい何かがあるだけ。
ただ向き合い続けなくてはいけないことがあるだけ。
ただできることを探しているだけ。

でもしゃんと立たなくちゃね。
私はちっぽけだけど、
私にしかできないことは、確実に、ある。

19 March / 2013

メトロでの出来事

メトロに乗っていたら
10人くらいの6.7歳の子供達と一緒になった。

電車の先頭の方に乗っていると
トンネルの中をぐんぐん進んでいるのが
目で見えてわくわくするから
私も好きで、よくそれがよく見えるところに乗るの。

その子供たちが
ふっと地上に出るころに
「見てみて!光が見えてきたよ!!」
「うー!!!」
って盛り上がってきて

またトンネルに潜り込む時には
「ほら、また潜り込むぞ!」
「オッケー!」
「わー!いくぞー!!」
なんて話していたのです。

一緒に遊園地のアトラクションに同乗しているような気分になって
なんだかすごく楽しくて
一緒にけたけた笑ってしまった。

まさか暗い匂いのするメトロの中で
こんな幸せな気持ちをもらうとは思いもしなかった。

幼い頃は自分もこうだったかなあ

いたずらをする男の子を
女の子が先生に告げ口している姿を見つけて
どこの国もおんなじなんだなあと思った。

可愛いかったなあ。
またご一緒できるならしたいわ。笑

18 March / 2013

故郷のうた。

福島について、歌が書きたくて、
でもずっと書けなくて
今日もああ、難しいなあって、思ってふて寝した。

ごろごろしていたら、
心が湧き上がってきて
またギターを爪弾きたくなって
歌っていたら、曲ができた。

誰かに自分のことを伝えるために書いた歌は初めてで、

なんだか自分でも不思議なんだ。

歌というよりも、語りに音が付いた感じの曲。

体を揺らすというより
じっと身を固めて紡ぐ歌。

曲を作りながら、ぽろっと泣くことは、結構あるのだけど
曲ができそうな気がしてギターを持ったら
なぜかぼろぼろと涙が出てきてびっくりした。

ぴたっと涙が止まったら、すっと言葉が出てきて、
自己紹介のような、福島の歌ができた。

フランス語で書いたから、
添削してもらったら日本語訳を載せよ。

受け取る人はどんな気持ちになるのかな。
ちょっぴり、怖いな。

でも悲しい歌ではないと思うから。

17 March / 2013

絵の見えかた

綺麗なものを見つけに、トゥールーズから電車で1時間ちょっとの、アルビという街に行ってきました。


電車で、ごとんごとん、揺られながら
走ってゆくうさぎや、羊や馬たち、
芽生え始めた緑、広い、広い空を眺めていたら、
あっという間に着きました。

サン・セシル大聖堂を見て、
美しい河辺を散策し、
美味しいコーヒーを飲んで、
けらけら笑って
トゥールーズ・ロートレック美術館へ。

絵って、近くで見るのと、遠くから見るのとでは違う顔を持ってるよなあっていつも思う。

近くで見たときには、タッチや色の混ざり合いや、ちょっとした影をぐるぐると見つめてしまうのに、
遠くから見ると、あれ、あの線がこんなバランスを作るんだ、とか
あれ、あの人が見ていたのはこれだったんだ、とか
なんだか不思議な気分になるものです。

きっと私はいつも
自分をいかに描くかを考えているばかりで、
いかに描かれているように見えるのか、
それを見れていないような気がするなあって思いながら、ぼーっと眺めていました。

ロートレックの作品は木の板に描かれている油絵の作品が好きだったなあ。
深い青の色に沈んでいく感じ。
茶色の板に描くのに、どうして青色が深くなるのか不思議だった。



アルビ、綺麗だったなあ。

グレーの石で作られたパリのような街よりも
赤いレンガの小さな街が好きなので、
緑も多くて水のせせらぎが聞こえるアルビは
なんだかとてもよかった。

12 March / 2013

お祈りの歌

今年の3月11日はどんな一日でしたか。


私は、大学の陽のあたるベンチで
緑と、白いお花に囲まれて、歌を歌いました。

フランスに来てから作った海の歌。
高校時代に福島の空を見つめて作った歌。

大切な命を、失くした命を、思い浮かべながら、
夜になってもまだ頬が火照っているくらい
長いあいだ、とても暖かい陽の光の中で
祈りの歌を、ぽつり、ぽつり、と紡ぎました。

どんなことを歌っているの?
と、見知らぬ青年に訊かれ、

地震と津波で失くした命のために
今日は祈りの歌を歌うの。
と答えたら、
それは素敵だと言って、
一緒にリズムを感じてくれました。

どんどん人が集まってきて、
全員が全員、見知らぬ人たちなのに、
楽しく笑って、
時にはチップをくれたり、
お菓子を分けてくれたり
一緒に体を揺らして
日向ぼっこをしながら
時を過ごしてくれました。

不思議ね、日本語の歌ばかり歌っていたのに、
音楽は言語なんてあまり関係ないのね。

また歌っていたら、会いに来るよ。
そう言ってくれたので、
今度また彼らに会えたら、
もっといろんなことを話せたらいいなあ。

私が異国の地でできることなんて、
とても小さなことだけど
こんな小さな繋がりが
もっと、もっと、作れるならば、
そんな素敵なことはないな、と思った。